理想の空間を、自分の手で描いてみる
前回、設計士さんからの図面を見て、言葉が出なかったこと。
その悔しさのような感情が、じわじわと自分の中に残っていました。
“もっと自分のイメージを言語化できたら”
“患者さんの過ごし方を、ちゃんと伝えられたら”
そう思って、私は自分なりにレイアウトを描いてみることにしました。
Sweet Home 3D
活用したのは、「Sweet Home 3D」という無料のレイアウトソフト。
初心者でも扱いやすく、簡単な操作で3Dの空間イメージまで確認できます。
もちろん、最初は戸惑うことも多かったのですが、
ひとつひとつ壁を設置し、部屋をつくり、通路を引いていく作業は、どこか診療計画を立てることにも似ていました。
施術内容から逆算する部屋構成
自作レイアウトに取りかかってまず考えたのは、
「実際にどんな施術をするのか」「そのために何が必要か」ということ。
当院で予定しているのは、以下のような施術です。
- 二重やクマ取り、糸リフト、脂肪吸引などの外科治療
- ピーリングやメソナJなどの肌育治療
- HIFU、高周波、点滴治療、ヒアルロン酸やボトックスなどの小処置
これらを安全かつ効率的に提供するには、現時点で以下の構成が必要と判断しました。
- 手術室:2部屋(各10㎡前後)
- 処置室:3部屋(各6㎡程度)
- 診察室:3部屋(各4㎡程度)
- パウダールーム:2部屋
スタッフの動き、患者さんの流れ
レイアウトを考える中で、「動線」の重要性も痛感しました。
将来的にドクター2名体制になることも想定すると、必要なスタッフは…
- ナース:4〜5名
- 受付:2〜3名
- ドクター:最大2名
その分、導線の整理が不可欠です。
スタッフの動線と患者さんの動線をなるべく交差させない設計が、落ち着いた空間づくりにもつながります。
削ること、守ること
限られた約40坪という空間のなかで、全てを叶えるのは難しいと痛感する場面もありました。
- 更衣室やリカバリールームは見送り
- 写真撮影室は1×2mの最小限に
- スタッフルームは難しくても、ロッカールームだけは確保したい
何を削って、何を守るのか。
それを選び取ることも、空間設計の大事な一部なのだと感じました。
次回予告
vol.3では、自作レイアウトでの気づきを踏まえ、美容医療に強い設計会社へ急遽依頼。
改めて行われた打ち合わせの様子と、そこから見えてきた「プロの視点」についてお届けします。
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