Behind Glow #05|テナント探し vol.3

“目につく場所”の意味が変わって見えた日
―歩いている人の数が、こんなにも違うとは思わなかった―

コンサルタントとの出会い

前回、迷いながらも「好立地に特化した開業コンサルタント」に問い合わせをしたところまでを綴りました。
その後、初回のWeb面談を実施。

コンサルタントは、保険診療を中心とした医療機関専門の支援を行ってきた会社で、
特に内科・歯科といった保険診療の開業や経営支援に深く携わってきたとのことでした。

昨今、美容医療の自由診療単独での開業はハードルが高くなってきており、
保険診療と併設する形での開業を勧められるケースも増えています。
そうした中で、美容クリニックの立ち上げ支援にも対応しつつ、
同時に保険診療のリアルな運営や制度も熟知しているという点に、
後々になって「美容特化のコンサルよりも信頼できるのでは」と感じるようになっていきました。

広告費の代わりに、家賃を払う

面談の中で印象に残ったのが、こんな考え方です。

「たとえば、中心部の物件で家賃が50万円高かったとしても、
広告費がその分かからないのであれば、実質的には同じことなんです。」

当たり前のようでいて、あまり表立って語られることのない発想でした。
“そこにあるだけで目に入る”という立地の強さは、
広告を積み重ねるよりも、持続的で安定した効果をもたらすのかもしれません。

そして、もうひとつの言葉も心に残りました。

「通いやすい場所は、長く付き合えるクリニックをつくる土台になります。」

たしかに、
目に入りやすい場所、アクセスしやすい場所──
“通いやすさ”は、信頼や習慣を育てるための、最初の入り口になるのだと感じました。

数字が語るものを、初めて見た日

初回の面談後、希望エリアをお伝えし、診療圏調査をお願いすることに。
数日後、二度目のWeb面談で、札幌中心部と円山の比較データを提示していただきました。

結果は、ある意味では想定内、けれど数字で見せられるとやはりインパクトがありました。

札幌中心街は競合が多いエリアですが、
円山と比較して、通行量が桁違いに多い──
実際に、一桁違いました。

この違いは、肌感覚で考えていた以上のものでした。
数字がここまで明確に語るなら、立地としての強みは揺るぎないものだと思いました。

タイミングの妙というもの

調査結果をもとに、物件探しを本格的に進めてもらうことに。
その一方で、自分でも気になる物件があれば直接問い合わせたり、比較してみたりする日々が続いていました。

そして、三回目の面談を控えた前日。
某医師専門サイトの物件担当の方から、1通のメールが届きました。

札幌チカホ直結・40坪・坪単価3万円未満。
条件だけを見ると、まさに理想的。
「もしこれを、コンサルタントからも提案されるようなら、
それはもう“ご縁”なのかもしれない」
そんな思いを胸に、翌日の面談に臨みました。

自分の感覚と、誰かの提案が重なる

そして、コンサルタントが最初に提示してきたのは、まさにその物件でした。

「やっぱりそうか」と思う気持ちとともに、
「ここしかないな」と思える感覚が、じわじわと膨らんでいきました。

いくつかの物件を見てきた中でも、
条件や立地だけでなく、タイミングや流れも含めて、
ようやく「進めてみたい」と思える場所に出会えた気がしました。

次回予告|レイアウト vol.1

物件がほぼ決まったが、その先に待っていたのは、”どうつくるか”という、また新しい問いでした。
最初の図面に戸惑いながら、自分で空間を描き始めた日々。

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